普段よく耳にするフレーズでも、実は間違っていたり、丁寧に使っているつもりが相手に耳障りな印象を与えていたり……。そんな敬語の使われ方は、意外に多いようです。しかし、間違った使い方が身についてしまうと、公的な場で恥をかいてしまう恐れもあります。本来「させていただく」というのは、相手側から何らかの厚意(好意)や恩恵、またこれをしてほしいという依頼・要請などを受けたときに使う表現。それゆえ、「私と○○は結婚させていただきました」など、自分の一身上のことにまで用いると、おかしな過剰な表現になってしまうことも。「たとえ間違ったとしても、相手の身を思った言葉であれば不快な間違いではありません。正しいとか間違っているとか正誤だけが重要なのではなく、同じ意味であってもほんの少しの要素を加えるだけで、響き方がまったく違ってくるということなんですね。この言葉でいいかなとちょっと考えるだけでも、言葉は変わってくると思います」日々の生活の中で少し立ち止まり、自分が発する言葉について考えてみる。そんな経験を積み重ね、言葉遣いの美しい女性を目指していきましょう。[7/26のコーデ]グレージュに、白と黒のジュエリーを合わせて…「洋服やアクセサリーなどもそうだと思いますが、大切な場面でいかによりふさわしい物を選り分けることができるか。そういった判断力、語彙力、表現力が大切なのだと感じます。過剰すぎてもおかしいし、軽すぎてもおかしい、だけどさらりと敬語が出てくる人は、くだけた言葉を使っても礼を欠かない、品が落ちないというのは、あると思いますね」次に、敬語を使いこなすポイントや、上手く使えるようになるコツをお聞きしました。正しい言い方はそれぞれ、「あちらでお受け取りください」「ご存じかと思いますが」「先生がおっしゃったように/先生が言われたように」「もうご利用なさっていますか/もうご利用ですか」などとなります。代表的な尊敬語と謙譲語の形は覚えてしまうとよいでしょう。「小さいときから本を読んだり、バレエを観たりして、その場面で主人公はどんな気持ちだろうと考える。そうしたことも相手の気持ちを推し量ったり、表現力を養うことにつながる可能性があります。敬語で最も間違えやすいのは、尊敬語と謙譲語が混ざってしまうこと。「大事な場面でせっかく相手を立てようとしているのに、自分側の謙譲語と相手側の尊敬語がごちゃごちゃになってしまうことが多いようです」。40代からの【眉診断】かっくん眉?まろ眉?加齢眉を若見え「美…また、言葉のひとつひとつに最上の敬語を用いると重たく感じられるときには、言葉の最初の方を軽くし、おしりを重たくするとよいとか。「例えば、話をする際に誰への敬語なのか、もっとよりふさわしい言葉はないかと考えることは、いい訓練になりましたね。こういう場合は、相手にそれを判断させるような言い方ではなく、『お手数をおかけして申し訳ございませんが、こちらにご署名いただけますか・ご署名願います』『お名前をお書きいただけますか』などのお願いする言葉に限定してしまった方が自然な印象です」LATEST ISSUE | 8月号 2020年7月7日(火)発売何も、難しい言葉は知らなくてもいいんです。ひとつの言葉に対して語彙が3つあるだけでも、その場面場面でよりよい言葉に変換できます。困ったときに、もっといい言い回しはないかと考える、工夫することで鍛えられると思います」また、「あちらでいただいてください」「存じ上げていらっしゃるかと思いますが」「先生が申したように」「もうご利用していますか」なども、同様に謙譲語を尊敬語として用いた誤りの例。「丁寧に言おうという気持ちはわかるのですが、やはり耳障りな感じがありますし、間違っているのは確かなので、きちんと知っておいた方がいいですね」。プレシャス(Precious.jp)は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするメディアサイトです。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。掲載の記事・写真・イラスト等のすべてのコンテンツの無断複写・転載を禁じます。敬語は相手との関係や場面と調和してこそ生きてきますし、心くばりも伝わります。いま敬意を表するべき相手、敬語を使うべき相手は誰なのか、その調和に尽きるのではないかと思います」例えば旅行先でカメラのシャッターを押してほしい時には、『シャッターを押してもらっていいですか』ではなく、「すみませんが、シャッターを押していただけませんか」とお願いするほうがスマートです。ポイントとなるのは、まず、言葉としてどこが間違っているのか、誤りとされる理由をきちんと理解することです。また普段、婉曲の表現をするとき無意識に使っている言葉にも注意を払う必要があります。「私的には~/自分的には~」「~じゃないですか」「っていうか」「~みたいな」「なにげに」などといった言葉は、ビジネスシーンや目上の人との会話など、改まった場では使わないほうがよいでしょう。人にものを頼むときは、「~していただけますか」が自然な言い方です。「~してもらっていいですか」という表現は、遠慮がちに言っているようで、どこか押しつけがましく感じられるところがあります。これを丁寧な言い方にすると「~していただいてよろしいですか」となりますが、この表現にもやや違和感があります。正しくは、「言われる」か「おっしゃる」です。元の言葉「言う」を尊敬語にする場合は「言われる(れる・られる型)」あるいは「おっしゃる(その言葉専用の尊敬語の型)」のどちらかになります。「後ほどお電話させていただきます」「商品開発を担当させていただいた○○です」。メールのやりとりやあいさつなどで「~させていただきます」という表現がよく使われます。また、あいさつをするときの『僭越ながら。ごあいさつさせていただきます』という言い方。これはあいさつをするように依頼・要請を受けたので、ごあいさつします・ごあいさつさせていただきますという意味で適切です。あるいは結婚式の出欠ハガキで『出席させていただきます』と書く。これも相手からの依頼・厚意を受けたとみなして返事をしている、という意味で正しい使い方といえるでしょう」井上さんは、講演の参加者などから「どうしたらいい言葉使いができるようになりますか」と聞かれることがあるそう。しかし、そういう方は、すでに自分の中で変化が起きているのだといいます。自分はこれくらいの言い方でいい……。そう諦めてしまうと、そこで終わってしまうとか。そこで今回は、間違って使われがちな敬語の正しい言い回しや、敬語を上手に使いこなせるようになるための方法を、ビジネスマナー・敬語講師の井上明美さんに教えていただきます。よりよい言葉遣いを身につけるために、ぜひ参考にしてくださいね。暑い夏は涼やかな人になる! 大人のブルーメイクは「インサイドライン」がちょうどい…© Shogakukan Inc. 2020 All rights reserved.
美化語一覧 国分芳宏監修 kokubu@gengokk.co.jp 美化語とは、丁寧の接頭辞「お」または「ご」を付けた用語です。「お酒」「ご挨拶」などがこれに当たります。 全ての用語が美化語になれるわけではなく、日常よく使われる短い用語だけが美化語になります。 「お金」の敬語というのは基本的に「お金を払うときに使うべき敬語表現」や、あるいは「お金を受け取るとき・支払うときに使うべき敬語表現」という切り口になりますが、こうしたお金に関する敬語表現というのはその場の状況でいろいろな形容で表現されます。・お支払いさせていただきます。・ご入金のほうをどうぞよろしくお願いいたします。・ご入金をご確認させていただきました。他にもさまざま言い方がありますが、「お金」に関する敬語表現をする際には金銭上のトラブルを避けることが … 「楽しむ」には、似通った表現が多数あります。「寛ぐ」「落ち着く」「歓談する」などです。それぞれの敬語表現をご紹介します。敬語には「丁寧語」「謙譲語」「尊敬語」があります。「楽しむ」は、丁寧語の形で敬語にすると「楽しみます」になります。「楽しんでいます」という場合も多いです。謙譲語の形で敬語にすると「楽しませていただいている」になります。尊敬語では「楽しんでいらっしゃる」です。「楽しむ」は使う場面によって「楽しんでいます」「楽しませていただいています」あるいは「楽しんでいらっしゃいますか」「お楽しみいただいておりますか」など、いろいろな形の敬語表現をします。「楽しむ」の敬語表現を例文を交えてご紹介いたします。「楽しむ」は相手に対して「楽しんでいるか」と聞く場面や「楽しんでいる」と伝える場面、「楽しんで来て」と伝える場面、「楽しんで来る」と答える場面などで使います。相手が休暇を取った時などにも、「休暇を楽しむように」と敬語で伝えます。「仕事は大丈夫ですので、ゆっくり楽しんでいらしてください」などの使い方をします。「楽しむ」は、「今日は映画を楽しむ」などの主観的な文章で使うことが多い表現です。会話で使う場合には「楽しんでください」「楽しんでいますか」などの敬語表現を使います。記載されている内容は2018年02月25日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。相手が旅行に行くと知った時などに、「ご旅行を楽しんできてください」というような文面で使います。また、パーティーや飲み会などに行くと知った時などにも「楽しんできてください」などの言葉を書きます。「楽しむ」の敬語表現は相手が旅行に行く場面などで使うことが多いです。「楽しんで来てください」「楽しんでいらしてください」などの使い方をします。また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。