話の内容を覚えておけば、次からは覚えた情報を使って会話ができ、話の流れがスムーズになります。 相手から「よく覚えているね」と感心され、きちんと話を聞いている姿勢もアピールできるでしょう。 つまり、コミュニケーションの9割以上は言語の内容以外の情報で占められているということ。「雑談が苦手だ」という人のなかには、よい話題を見つけられず、沈黙してしまう人も少なくないはず。しかしメラビアンの法則によれば、会話のような、表面的には言葉によるコミュニケーションに見えるものであっても、じつは言語情報の影響はとても低いのです。話している途中で、ある言葉や話題をふと思いついたり、エピソードを思い出したりするものの、口に出す前に「これをいったら相手にどう思われるか」ということを過度に意識してしまい、口をつぐんでしまうような人。だとすれば「話題が見つからないから雑談が苦手」という人は、雑談に対する認識を改めるべきだと著者はいいます。もしかしたら、話題が見つからないことよりも、「話題が見つからないかもしれない」という心配や緊張が顔に出て、相手に情報として伝わっていることが、上手くいかない理由かもしれないから。だからこそ、雑談の内容で「相手がどう思うか」を心配してしまう人は、まず自分が単なる自意識過剰ではないかと疑ってみるべきだといいます。話の内容についての遠慮や心配は、ほとんどが取り越し苦労。雑談が成功するか否かは、ほぼ話し方次第だということです。(48ページより)雑談は、そもそも意味がないのです。論理的である必要もまったくありません。必要なのは「相手と仲良くなりたい!」という気持ちです。(60ページより)そういう人は、話すのならプレゼンテーションのように、最初からじっくり考えた内容のものを話したいと考えているもの。「しかし雑談は、そういう準備ができないから苦手だ」と考えるからうまくいかないのだそうです。弁護士にも意外に多いというそのようなタイプに対し、著者は次のようなメッセージを送っています。たしかに話している最中で、相手の言葉に軽い違和感や、よくない印象を抱くことはあるもの。しかしそれは一瞬のことであり、よほどおかしなことをいわない限り、雑談が終わってしばらく経てば、悪感情は消えてしまうものだというのです。慣れないうちは不安もあるでしょうが、一度そのような話し方でうまく話が展開すると、「なんだ、これでよかったのか」と、開放感のようなものを得られると著者は記しています。(59ページより)雑談は手紙やメールとは違うので、相手の言葉に応えたり、こちらから話を切り出したり、その場の一瞬の判断で話題を展開していくことが必要。自分の話し出すタイミングを逃すと、うまく会話が流れず、沈黙が訪れてしまうわけです。著者によれば、雑談に苦手意識を持つ人のなかには、こういうタイプの人が多いのだとか。だから、話す前に「こんなことをいうと嫌われるのではないか」などといった心配をしてしまう。そのため、せっかく思いついた言葉もタイミングよく口に出すことができず、沈黙を続けるまま、結局はほとんどなにも話せずに終わってしまうというのです。しかし、こういう人について、著者は重要なことを指摘しています。ところが、そのような考え方をしている限り、「雑談のときになにを話したらいいのかわからない」という悩みは絶対に解消しないとも断言しています。そもそも定義上、雑談は意味がないもの。逆にいえば雑談は、意味のないところに意味があるということです。要は必要なときに、必要なだけ雑談ができればいいのです。雑談が苦手な人は、苦手なままで結構、戦略的に雑談を使えばいいだけの話です。(「まえがき なぜ、ビジネスには『雑談』が欠かせないのか?」より))「すごいですね」「それ、すごくわかります」など、仮に雑談の言葉を文字に起こしたりすると、感覚的で、ほとんど意味のない言葉ばかりになるはず。しかし、そういった言葉だけで十分に会話は成立するわけです。もちろん、発した言葉の前後に矛盾があっても大丈夫。なぜなら、相手はそれほど矛盾を気にしていないから。さらにいえば、話しはじめるときに結論がはっきりしていなかったとしてもOKだといいます。それでも話しているうち、内容がグチャグチャになることが気になる場合は、冒頭に「頭が整理できていないのですが」「論理的ではないんですが」という枕詞を入れてしまうのも効果的。「メラビアンの法則」は、有名な心理学上の概念。人と人がコミュニケーションをするときに受け取っている情報のうち、どの要素が相手に影響を与えるかという研究結果で、その要素とは「言語(話の内容)」「口調や話す速さなどの聴覚情報」「見た目などの視覚情報」の3つだといいます。copyright (c) mediagene, Inc. All Rights Reserved.そして、もうひとつ重要なのは態度や表情。笑顔を絶やさず、相手の話に身を乗り出し、身振り手振りを加えて楽しい雰囲気を表すと印象に残るというのです。加えて、口調や話す速さも研究してみるといいとか。それだけで、雑談時に相手に与える印象の約93%が決まるというわけです。(51ページより)「雑談が苦手」だという人のなかには、話がまとまらないタイプ、話しているうちに自分がなにを話しているのかわからなくなるタイプがいるといいます。それを自覚することが苦手意識につながり、気おくれしてしまうというのです。そう考えれば、雑談とどのように関わっていくべきかも見えてくるはず。論理的整合性や相手にとってのメリットなどを考える必要はなく、意味のないことを話すことこそが大切だということです。(55ページより)自分のタイプがわかれば、きっと対処法が見えてくるはず。そこを意識しながら本書を読み進めれば、自分自身にとって適切な「雑談力のつけ方」を見つけ出すことができるかもしれません。雑談が苦手な人のなかには「意味がないことを人に話すのが好きではない」という性格の人がいて、著者もそのタイプなのだとか。職業柄、裁判の陳述のように、結論に向けて論理を構築して話す癖がついてしまっているというのです。だから、「仕事の相手と意味のないことを話したくない」と考えてしまう気持ちはわかるのだそうです。そして事務所内においても、雑談でよい人間関係をつくっていかなければ、スムーズに仕事を進めることは不可能。それどころか仕事を離れても、雑談ができない人と一緒にいるのはつらいものです。ただし、だからといって雑談が大好きになったり、得意になったりする必要はないといいます。雑談で話がまとまらない、という人に贈るアドバイスは一つだけです。仕事仲間でも、雑談を一切せず事務的に進めていると、言葉の真意を測りかね、誤解を招いて失敗したりすることもあります。雑談には、初対面の人との距離を縮めたり、円滑に仕事ができる人間関係を築いたり、相手の人間性を知ったりといった効能があるのです。(57ページより)メラビアンによると、相手に与える影響の全体を100%とすると、言語による情報は約7%と非常に低く、口調や話す速さなどの聴覚情報が約38%、見た目などの資格情報が約55%だったそうです。(51ページより)むしろ雑談の成否を分けるのは、「楽しい雰囲気だった」「相手が笑っていた」など、言語以外から得られるプラスの感覚。つまり雑談を成功させるに大切なのは、まず見た目に注意すること。清潔にしているか、服装はおかしくないかということなども影響するという考え方です。ちょっと考えてみましょう。雑談の話し相手は、そんなにあなたの話を注意深く聞いているでしょうか。じつは、それほど話の内容を聞いていないし、雑談の内容をそれほど覚えてもいないことが多いのではないでしょうか。(49ページより) 分かりやすい説明の第一歩は、相手が何を最も知りたいと思って質問しているのかを把握し、伝えるべき内容を頭の中で整理してから話し始めること。公私にわたり活かせる「たしなみ」術を、マナー編、教養編、HOW TO編、スポーツ編の4つのジャンルでご紹介します。「実践編」の前に基礎的な知識を身につけましょう。「私自身が本を書くために参考にした本で、非常に面白いです。日本語は、主語や述語を省くことが多いので、それが伝わらない原因だったりするのですが、この本を読めば、そんな根本的な日本語の課題に気づくことができます」と工藤氏。論理的な文章の書き方や説明の方法、有効な質問の仕方など、欧米では当たり前の言語技術を、日本語から鍛えていこうという趣旨の本。これまで、それぞれのケースにおける「言いたいことを、最大限に伝える"説明力"」を学んできました。最後にどんなケースの説明にも共通する、分かりやすい説明のポイントを事例のなかから7つピックアップしました。「言葉の表現を豊かに」「ストーリー仕立てに」「伝える手段の幅を広げる」「例え話を使う」など、相手が伝えたいことを具体的にイメージできるような工夫をする。「一文がとても短く、文章に慣れていない人でも読みやすい。説明力アップのために、ヘミングウェイの作品はすべて、おすすめ」と工藤氏。今回は、ノーベル文学賞を受賞している、この作品をピックアップしました。徹底した外面描写を用い、大魚を相手に雄々しく闘う老人の姿を通して自然の厳粛さと人間の勇気を謳う名作です。「言いたいことが、うまく相手に伝わらない」「『君は何が言いたいの?』と言われてしまう」……そんなあなたに必要なのは、"高度な説明テクニック"よりも、"説明したいことを整理すること"かもしれません。「言いたいことをきちんと伝えられるようになる」ための、最も大事で最も基本的な整理の仕方を中心に、「説明力のポイント」が身につく解説書。本記事の内容は公開当時のものです。本コラムに関するご意見等ございましたら、日立ソリューションズまでお問い合わせください。言葉だけでなく、話し方やスピード、声のトーンや間の取り方などを相手のペースに合わせる。ですから、今、自分には説明力が足りないと悩んでいるみなさんも、どうかあきらめないでください。紹介した説明力アップのポイントは、私自身が身を持って体得したことばかりです。あまり難しく考えないで、チャレンジしてみてください。Chapter 9 【まとめ】説明力をアップさせる7つのポイント|システム構築やトータルソリューションをお探しなら、日立ソリューションズをご利用ください。説明で大切なことはテクニックではなく「伝わる」こと。不安であれば、自己満足にならないように「伝わりましたか?」と聞いていけばいいのです。ある程度相手の理解度が分かったら、それに合わせて言葉や表現方法を変える。© Hitachi Solutions, Ltd. 2010,2020.
例えば、次のような言葉にイラッとする女性は少なくありません。 ・妊娠した? ・太った?(痩せた?) ・旦那とうまくいってる? ・仕事はうまくいっている? ・どうして大学に進学しなかったの? ・話を聞いていないようで、よく聞いているのね 人の話を聞くときも、自分が話すときも、まずは「まとめる力」をつけることが大切なんです。 まとめる能力がある人の特徴 ... 文字に起こすことで記憶がしっかりでき、自分の言葉で内容を要約して理解が進みます。そしてそれを繰り返すうちに、大事なポイントを見抜く力が備わってきます 1890年に明治天皇が発した教育勅語(教育ニ関スル勅語)が、127年も経った今、2017年に再び話題になっている。正直言って、現代人にとっては教育勅語という言葉など聞いたことがない人も多いと思う。かくいう僕自身も、そんな1人だった。 発達障害だと、話が理解できない、意味がわからないというときがあります。 僕もこれはよくあり、同僚と話をしていても、「今なんの話だっけ?」となることがよくあります。 今回は、話が理解できない原因はなんなのか、どう対策すればいいのかをご紹介します。 分かりやすい説明の第一歩は、相手が何を最も知りたいと思って質問しているのかを把握し、伝えるべき内容を頭の中で整理してから話し始めること。 2 「事実」と「所感」を明確に分ける コミュニケーションのなかで、相手にわかりやすい上手な話し方・伝え方は大切です。「話す」「伝える」ことに悩んでいる人は多いですね。「相手に話す」「相手に伝える」とはどういったことなのか、コツはあるのか、相手にうまく伝える方法をご紹介します。
All rights reserved.頭の中で「伝えたいテーマ・要点」を分類し、ポイントごとに番号をつけておく。相手に伝える時には最初に「○○のポイントは2つです」と示す。どの順番で話すと効果的かも考えてから話す。伝えたいテーマやポイントを整理し、ポイントごとに分かりやすいキーワード=見出しをつけて端的に言い表す。「説明力」の解説書を書いたのは、私自身、説明が苦手だったからです。今の人材育成支援会社を立ち上げてからも、壁にぶつかってばかりでした。最初は、「接客」という感覚的なものを、どう言葉にして教えればいいのか、という壁。やっと接客のポイントを言葉化できたら、今度は「伝える力」が足りなくて人に伝わらない、という壁。そういったコミュニケーション能力、説明力の壁を、試行錯誤しながら一つひとつ克服してきたからこそ、本にできたのです。いくら上手な説明であっても、口先だけでは人は動かせません。一番大切なのは、一生懸命伝えようとする姿勢なのですから。 私は、人と会話する時に「えっ」と聞き返すことが非常に多いんです。ちゃんと「音として」は聞こえているのに、意味をつかめない。何か英語が苦手な人が英語を聞いたときのような感じになっているんです。「音としては」聞こえていないわ